リストラから派遣の不遇生活

私は前職を40歳を過ぎていきなりリストラをされました。仕方がないので派遣会社に登録したところ一週間くらいして派遣会社から「少し遠方ですが寮もあるし送迎もあるので印刷会社での補助作業をしてみませんか」と連絡がありました。

生活もあり考える余裕もなかったのでOKし、派遣会社の言われるがまま引っ越しも車で手伝ってくれすぐに仕事の開始となりました。

業務は大手印刷会社の工場で、印刷機について正社員二人に対して派遣社員の私と計3名のチームでの印刷業務でした。補助とはいえ慣れない人間にはかなり高度な技術が必要で、最初は良品と不良品の区別なんて全くつきません。ミスをするたびにに激しく叱咤されるは、有機溶剤の臭いで気分は悪くなるはで最悪でした。

でも仕事は徐々に慣れてはきたのですが、もっと最悪だったのは正社員との差別でした。昼食は社内食堂で食べるのですが、社員には補助がありただ同然で食べれるのに、派遣社員は一般の食堂並の料金をとられ、食べるテーブルも正社員とは区別され机の質も古い物でした。仕事はほとんど正社員と変わりはなく、臭い汚い仕事は派遣社員が受け持つことも多かったです。

そんな中、正社員は派遣社員を色眼鏡で見ることがほとんどで、なかには露骨に「どうせお前もすぐに辞めるんだろ? 仕事を教えるだけ無駄なんだよなぁ」と言う正社員までいたくらいです。恐らく負の連鎖というのか、派遣社員は当然非正規社員なのだからどうしても出入りが激しくなる。そうすると現場の正社員はそんな派遣社員を疎んじるようになる。そうなると自然と正社員と非正規社員との溝は深まる、の繰り返しとなっているのだと思います。非正規社員を望んで雇うのは経営者や人事部であって、非正規社員を配属される現場にとっては迷惑な話となってしまっているのではないのでしょうか。

ただ一年を越したあたりから徐々にですが正社員との垣根も低くなり最初に比べれば働きやすくなったとは思いました。

ところがある日食堂で盗難事件があり、頭から派遣社員の仕業であるように扱われ、共同責任のごとく派遣社員の大半が契約を切られてしまいました。一年を過ぎていた私は切られずにすんだのですが仕事内容云々よりそんな扱いに嫌気がさし、結局慣れた仕事を辞めました。

あれだけ入社の時は親切だった派遣会社の社員も、退職となると手の平を返したように愛想が悪くなりました。入社時は入寮のための引っ越しも手伝ってくれ、車まで用意してくれたのに、退職する時は「引っ越しは自分の責任でお願いします」「○月○日までに寮を出てくれないと来月分の寮費がかかりますから」と冷たいものでした。とてもでないけれど車がなければ荷物など持ち運ぶことができない山間部の寮でしたし、入寮時にわざわざ車で引っ越しを手伝ってくれたのだから当然退寮時も車をだして手伝ってくれるものと思い込んでいた私は途方にくれてしまいました。

そこで他にこの寮から通える仕事はありませんかと尋ねてみると、とたんに派遣会社の担当者の愛想がよくなり、じゃあの会社は、この仕事はと紹介してくれ、引っ越しの手段のない私は仕方なくその中から次の仕事をお願いし違う企業で勤めました。

が、想像通りそんな派遣会社からの紹介の仕事が良い環境のはずもなく、次は3か月持たずに退職しました。もちろん泣く泣く運送業者に引っ越しを頼みました。

正規社員と非正規社員の差をなくす、という見出しがニュースや新聞で報じられることも多くなっていますが、まだまだ格差はなくなってはなくそれどころか、非正規社員が企業にとって企業業績を上げる手段の一つとして、かかせないものとどんどんなっていっているような気がします。